2015年04月10日
〜Tシャツは肌に一番近い服〜 だからこそ気になる事がたくさんある。
着てみなければ分からない、誰もが「気になる」部分を誰よりも詳しく徹底的にレビューするのがこのコーナー。さて今回取り上げるTシャツは…
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この春のファッションを先取りする1枚。
ストーリートの相棒、「DM103」
を徹底分析レビューする
次はこのファッションが来る
前回のレビューRLS1001で、ファッション業界、特にスニーカー市場で復刻の波が席巻している事をお伝えしたが、コーディネートも例外ではない。ここ2〜3年は60〜70年代に流行ったラギッドなアイビールックにクラシックスニーカーを合わせるコーディネートが雑誌で多く紹介されている。ファッションは巡る、お決まりの流れからすれば、次に流行るのは80〜90年代だろう。事実70年代のマスターピース、コンバースオールスターの復刻を皮切りに始まったにスニーカーブームは、現在次々に80〜90年代の名作をリリースしている。「オシャレは足下から」である。そして、筆者が今特に注目しているのが、80年代に大流行したカリフォルニアスケートボードカルチャー及び、ストリートファッションだ。
これが無いと始まらない
80年代カリフォルニアのスケーターに代表されるストリートファッションには三種の神器的なアイテムがある。足下は「バンズ」、ズボンは「ディッキーズ」、頭は「バンダナもしくはメッシュキャップ」、そしてトップスは「ラグランスリーブ 7部丈Tシャツ」だ。正にストリートファッションの王道。そして、今回紹介するDM103は現代仕様にアップデートされた7部丈のラグランスリーブだ。
意外な生立ち
本題に入る前にラグランスリーブが産まれた背景を紹介しよう。時は19世紀の欧州クリミア戦争で右腕を失ったラグラン男爵・フィッツロイ・サマセットが動きやすさ、着た時の美しさをを追求し、デザインされたのが始まり。現在でもスポーツウェアやトレーニングウェアの多くにラグランスリーブが採用されている所以でもある。
ここで、代表的な3つのスリーブタイプを紹介しよう。
◎ラグランスリーブ
通常の服は肩の部分の布付きのノースリーブの型に袖をつけるのに対し、肩の布はなく、袖の布が襟まで直接つながっているタイプの袖。袖の布と胴体の布は、わきから襟(えり)に向けて斜め45度くらいの角度で縫い合わされる。
◎スタンダードスリーブ
肩の部分の布付きのノースリーブの型に袖をつけた最も一般的なスリーブ。
◎ドルマンスリーブ
サルエルパンツのトップス版のようなデザインの袖(そで)の種類。シルエットとしては翼を広げたこうもりのような感じです。サルエルパンツが股下が余分に長いのに対し、ドルマンスリーブは脇の下が余分にあいた、ポンチョ風デザインのゆったり袖のこと。袖口(手首周り)はゆったりしておらず、普通の袖口の幅となっており、袖の付け根から袖口にかけて、逆三角形型(円柱)の袖の幅が狭くなる。レディースTシャツでよく使われる。
いいとこ取りの優等生
DM103単なるラグランスリーブTシャツに留まらない4つの特長がある。その4点とは「生地の美しさ」「シェイプ」「耐久性の高さ」「抜群のコストパフォーマンス」だ。 まず「生地」。DM103の生地はトライブレンドが使われ、非常に風合いの良いメランジカラー。80年代のラグラン7部丈Tシャツは、ソリッドカラーがほぼ全てだが、DM103は現在の流行のメランジカラーを取入れている。尚かつ非常に柔らかいトライブレンド生地とラグランスリーブが相まって、着心地が最高に良い。
「シェイプ」。現代仕様で若干細身でスタイリッシュ。身幅はダブつく事も無く、どんなボトムスにも合わせやすい。ゆったり着たい場合は普段のサイズのワンサイズ上をチョイスする事をお勧めする。
そしてDM10Xシリーズに共通する「耐久性の高さ」だ。DM102の時もお伝えしたが、このDM103も驚くべき堅牢度の高さを誇る。最後は「コストパフォーマンス」だ。1枚945円(税込)このクオリティーを考えれば、このコストパフォーマンスは特筆に値する。
各部位チェック
DM103の細部を徹底的に調べていこう。
首周りは?(狭←◯◯◯◯◯●◯◯◯◯→広)
スタンダードな広さ、リブは細め。
着丈は?(短←◯◯◯◯●◯◯◯◯◯→長)
裾がラウンドカットなので、着た時に少し短く感じるかもしれないが、スタンダードな丈。かがんで背中が出てしまう事はない。
身幅は?(細←◯◯◯●◯◯◯◯◯◯→広)
適度にタイトだ。中肉中背なら問題ないが、お腹がふくよかな人は少し目立つかもしれない。
袖丈は?(短←◯◯◯◯◯◯◯◯◯●→長)
7部丈なので長い。ラグランスリーブなので肩周りの可動範囲が広いく着心地は抜群。アームホールは細めで、奇麗な腕を演出してくれる。
生地は?(薄←◯◯◯●◯◯◯◯◯◯→厚)
4.3オンスは数字上は薄く感じる。実際着ても厚めな生地ではない。しかし頼りないかというとそんなことはない。見た目にもメランジカラーの重層感が生地の薄さを感じさせない。
シワは付き易い?(付き易い←◯◯◯◯◯◯◯◯◯●→付きにくい)
レーヨン/ポリエステル混合のおかげでシワは全くと言っていいほど付かない。海外旅行の荷物の一番下に押し込んでもシワにならない。ポケットに突っ込んでも、取り出してすぐに着れるほどだ。特筆に値する。
洗濯堅牢度は?(悪←◯◯◯◯◯◯◯◯◯●→良)
極めて高い。DM102同様の生地なので、ヘビーローテーションしても全くヘタリが無いだろう。特筆は乾きの速さだ。
プリント適正は?(難←◯◯●◯◯◯◯◯◯◯→適)
シルクプリントの適正はコットン100%の生地に比べると悪い。ポリエステル生地が50%入っているので、特殊な下地処理をしない限り、ブリードと言って生地の染料がプリントしたインクに染み出してくるリスクがある。処理をするか特殊なインクを使えば大丈夫だ。インクジェットは淡色なら問題ないが、濃色はリスクが高い。
コストは?(安←◯◯◯◯◯◯◯●◯◯→高)
ボディストア価格はこちら。このクオリティを考えればコストパフォーマンスは極めて高い。他では買えない値段と言って良い。
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DM103をどう使う?
どんなシチュエーションに向いているかを見てみよう。
イベントTシャツとして? ★★☆☆☆
難しい。サイズや色の展開が独特なのでイベントの内容をかなり選ぶ。色とサイズが希望通りにあって、商品にこだわりを表現したければ、最良の選択となる。
チームTシャツとしては? ★★☆☆☆
難しい。多くの人や多様性を取りまとめるような多目的ウェアとは考えないほうが良い。ただ、スケートチームには是非お勧めしたい。
プレゼントしては? ★★★☆☆
特徴的なアイテムで、万人受けするアイテムではない。スケーターの方へのプレゼントとしてはお勧め。パーソナライズするならイニシャルの刺繍を胸に小さくワンポイントで入れるか、小さなワッペンをつけたい。
部屋着や寝巻きとしては? ★★★★☆
オススメ。サイズ感が細身だが、トライブレンド生地の柔らかさとラグランスリーブの着やすさで、部屋着としても最高。寝間着にしてもポリエステルのおかげでドライ感がある。
運動着や作業着としては? ★★★★★
オススメ。成り立ちを考えれば当然。これを着てスケートをして欲しい。ポリエステル50%なので水分吸収も良く、乾きも速い。
オシャレな外着としては? ★★★★★
オススメ。夏はこれ一枚でいい。これから80年代ブームが来るので先取りして欲しい。メランジカラーの存在感も効いている。
下着としては? ★☆☆☆☆
難しい。袖が7部丈なので、肘周りがモタ付く。下着は普通のTシャツをお勧めする。
子供服としては? ★☆☆☆☆
難しい。サイズ展開がXSサイズからなので子供服には向かない。着るなら高校生になってからだ。
レディースとしては? ★★★★☆
オススメ。XSサイズはレディースで仕様でネックも広く女性的な仕上がり。
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バイヤーズガイド
冒頭でもお伝えした通り、80年代ファッションが近い将来流行る。既に2015S/Sのアパレル業界のキーワードとして上がっているし、ファッション誌でも80年代カリフォルニア、ドッグタウンの記事をちらほら見かける。その中で、7部丈のラグランスリーブが多く発売されるであろう。バイヤーとしては、是非今のうちに抑えておく事をお勧めしたい。
私にとってのDM103…
私にとってのDM103は「大人になったヤンチャ坊主」だ。ユースカルチャーの視点から見ると、7部袖のラグランスリーブは80年代アメリカ西海岸のスラッシメタル/ハードコア/パンク/スケーターのアイコニックアイテムなので、どうしても「ヤンチャ坊主」なのだ。そんなアイテムを現代的にリファインし、製品化されたDM103は大人も楽しめる作りになっている。80年代に青春を過ごし、現在大人になった方から、現代の若者まで是非DM103を着て頂きたい。そんなDM103はこちらから購入出来る。
DM103/TRI BLEND RAGLAN T-shirts
トライブレンドのコントラストがナチュラルな風合いを表現。薄手の混紡素材が柔らかな着心地です。人気のラグラン7分袖タイプ。(3カラー,5サイズ)